■ タバコの煙には有害物質がたくさん・・・
タバコにはタール、ニコチン、一酸化炭素を始め200種類以上の有害物質が含まれています。
タールには発がん物質や発がん促進物質、毒性物質が含まれ、一酸化炭素は動脈硬化を促進します。 また、タバコの煙の有害物質は、喫煙者本人が吸い込む主流煙よりも周囲の人が吸い込む副流煙中に多く 含まれます。
■ タバコを吸い続けていると・・・
■ 軽いタバコに変えたり、本数を減らす事に効果はあるの?
喫煙本数を減らしたり、軽いタバコに変えても血中一酸化炭素やニコチン濃度はむしろ高くなります。
健康被害を避けるにはしっかりと禁煙することが大切です。
「長年吸ってきて肺は真っ黒だろうから今さら禁煙しても無駄だ」と考えていませんか?
そんなことはありません。禁煙は始めたら短期間のうちに効果を実感できます。 例えば肺の機能は禁煙を始めて2週間〜3か月で回復がみられます。咳や息切れも1〜9か月で改善され ます。また継続すると様々な疾患リスクが吸わない人に近づいていきます。
タバコを吸うとニコチンが数秒で脳に達し、快感を生じさせる物質(ドパミン)を放出させます。
ドパミンが放出されると喫煙者は快感を味わいます。 同時にまたもう一度タバコを吸いたいという欲求が生じます。 その結果、次の1本を吸って再び快感を得ても、さらに次の1本が欲しくなるという悪循環に陥ります。 この状態がニコチン依存症です。
■ ニコチン依存症チェック
医師と一緒にニコチン依存症の治療(禁煙治療)を行います。
禁煙治療には自由診療(自費)と健康保険による治療があります。
保険診療の適応 には下記の条件があります。
1.ニコチン依存についてのスクリーニングテスト(TDSテスト)の結果が5点以上 2.ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上 3.直ちに禁煙することを希望 4.「禁煙治療のための標準手引書」に沿った禁煙治療について説明を受け、 その禁煙治療を受けることに文書により同意する 以上の条件を満たさない場合は、自由診療になります。
■ 保険診療の場合
「禁煙治療のための標準手引書」によって定められた禁煙プログラムに基づいて行われます。
処方薬はパッチもしくは内服薬によります。
ニコチネルTTS(パッチ)を使用する場合
ニコチンパッチはニコチンを含んだ皮膚に貼る薬です。
皮膚からニコチンが吸収され、使用量を減らしていくことでニコチン依存から離脱を図ります。
チャンピックス錠(内服薬)を使用する場合
ニコチンを含まない飲み薬です。 タバコを吸うと脳のニコチン受容体にニコチンが結合して、快感を生じさせる物質(ドパミン) を放出させます。チャンピックスはこの受容体に結合することにより、ニコチンが受容体に結合 することを阻害し、少量のドパミンを放出してイライラなどのニコチン切れ症状を緩和します。
禁煙治療成功のポイント
最終的に禁煙を成功させるにはチャンピックス錠の服用を3カ月間最後まで継続する
事が大切です。
内服を途中で中止すると、それまで禁煙に成功していてもニコチン依存症は治癒して いないため、 再び喫煙してしまう可能性が高くなります。 また3カ月間の服用継続のためには、必要に応じて服用量は変更します。 治療中の体調の変化などは通院時のみでなく、適時お電話やメールにてご相談下さい。
■ 自由診療の場合
当院ではニコチネルパッチを使用します。
このほかに市販のニコチンガムを使用する方法もあります。 | COPD | 肺年齢 |
引用:日本呼吸器学会 禁煙治療マニュアル ファイザー株式会社 禁煙手帳 ニコチン依存症 |